超巨大帝国ネスレ(Nestle)のご紹介!|コーヒーに携わる企業の研究
皆さん、こんにちは!
そしてサイトへのご訪問ありがとうございます^ ^
皆さんは、コーヒーに携わる企業をどのくらいご存じでしょうか?
「スターバックス」や「タリーズ」、コーヒー好きの方であれば「カリタ」や「デロンギ」など、コーヒーは世界中で取引されている商品で、そんなコーヒーに携わる企業も世界に無数にあります。
コーヒーについて研究をしているうちに、そんな企業たちが持つストーリーもとてもおもしろい!ということに気が付いたので、皆さんにそんな企業のストーリーをご紹介していこうと思います^^
第6回目は、スイス生まれの巨大帝国「ネスレ(Nestle)」のご紹介です。
ネスレ(Nestle)
「ネスレという企業名を知らない人はいるかもしれないが、ネスレの製品を目にしたことがない、という人は絶対にいない」
と言えてしまうほど、ネスレは巨大な企業です。
ネスレ製品の例を挙げてみると、
- チョコレート:キットカット、クランチ、エアロ
- コーヒー:ネスカフェ、ネスプレッソ、ゴールドブレンド、香味焙煎
- ペットフード:PURINA、Felix
- その他:ペリエ、ミロ、ウェルネス
などがありますが、これでもネスレの製品のほんの一部というから、ネスレという企業の大きさに驚きます。
意外と知られていませんが、サードウェーブコーヒーの寵児「ブルーボトル」も、2017年からネスレの傘下に入りました。
現在、全世界の社員は308,000人で、販売国が190国、グループ売り上げが約10兆円の、まさに「犬も歩けばネスレに当たる」状態のネスレグループ、実は元々煉乳の開発・生産を行う会社でした。
それでは、最初に大企業「ネスレグループ」の歴史をお話していきます^ ^
ネスレの歴史
略史
- 1866年:アングロ・スイス煉乳会社設立
- 1867年:アンリ・ネスレによって乳児用食品を販売する会社が設立
- 1904年:ネスレがチョコレートの販売を開始
- 1905年:2つの会社が合併し、ネスレ・アングロ・スイス煉乳会社設立
- 1914年:第一次世界大戦が勃発し、ネスレ製品への需要高まる
- 1916年:粉ミルクの販売を開始
- 1934年:オーストラリアで「ミロ」を発売
- 1936年:ビタミンサプリメント「Nestrovit」発売
- 1938年:インスタントコーヒー「ネスカフェ」の発売を開始
- 1948年:米国のネスレが「ネスティー」「ネスクイック」を発売
- 1957年:缶詰の「ラビオリ」を発売し、缶詰食品の発売を開始
- 1960年:複数の企業を買収し、冷凍食品分野に参入
- 1969年:ミネラルウォーター市場に参入
- 1985年:ペットフードビジネスへ参入
- 1986年:「ネスプレッソ」ブランドの開始
- 1986年:イギリスの菓子会社を買収し、「キットカット」などをネスレ製品に追加
- 1992年:ペリエグループを買収し、ミネラルウォーター分野を強化
- 2002年:複数企業を買収し、アイスクリーム分野を強化
- 2010年:「ネスレカカオプラン」や「ネスカフェプラン」が開始
- 2014年:ネスレ スキンヘル設立
設立〜1900年代
元々ネスレグループは2つの会社から始まりました。
1つは1866年に創立したアングロ・スイス煉乳会社。
新鮮なミルクの代わりになる、「安全で長期保存のきくミルク代用製品」へのニーズに応えるため設立した会社です。
もう1つが1867年に薬剤師アンリ・ネスレが創立した「乳児用乳製品」を開発・販売する企業。
この企業はアンリ・ネスレが乳幼児の高い死亡率の解決を目的として設立されました。
ちなみに、現在でも使われているネスレの鳥のマークはこの頃から使われています。
そして、1905年にアングロ・スイスとネスレが合併し「ネスレ・アングロ・スイス煉乳会社」が設立されます。
この時期は都市の発展が進み、鉄道などの交通網が発達し物価が下がり、消費財の国際貿易が飛躍的に拡大した時期で、その時代の波に乗ったネスレグループは業績を伸ばしていきます。
1900年代〜1980年代
1914年に第一次世界大戦が勃発。
ネスレ製品の製造は阻害されますが、政府との大規模契約によってネスレ乳製品への需要が高まります。
日持ちする上に輸送もしやすい煉乳は英国陸軍の非常食としても重宝されました。
1920年代に初めて財務損失を出しますが、チョコレートの販売強化や「ミロ」などの新製品発売、乳児用粉末ミルクの発売など、着実に成長していきます。
そして1938年に超有名なコーヒーブランド「ネスカフェ」が生まれます!
第二次世界大戦にアメリカが参戦してからは、アメリカ関係者の間でネスカフェを始めとしたネスレ商品の人気が急上昇!
1947年にアリメンターナ社と合併した後、戦後の生活を快適にする需要に応え「ネスクイック」や「マギー」などの調理済み食品といった新製品を発売。
現在でも販売されている「フォンドー」などもこの時期に発売された製品です。
1960年代には冷凍食品への参入、1970年代には医薬品や化粧品への参入によってさらに企業規模をさらに拡大。
この時期に多くの会社を吸収合併し、ネスレグループが爆発的に大きくなっていきます。
ちなみに現在も収束していない、ネスレ社を中心とする乳児用粉ミルクの不買運動「ネスレ・ボイコット」はこの時期に始まっています。
ネスレボイコットについては、後ほど詳しく解説します^ ^
1980年代〜現在
この辺りにくるとネスレ大帝国の勢いはもう止まりません。
とにかくいろんな企業を買収し、ペットフード、ミネラルウォーター、アイスクリーム、お菓子から化粧品まで様々な生活に密着している分野を強化し続けていきます。
その買収の勢いは、「捕食者」から「暴食者」へユニークスキルが変質したレベル!
※このネタ誰かわかりますかね?w
「キットカット」「ペリエ」「ネスプレッソ」などの製品はこの頃から販売が始まり、スーパーに行ってネスレ製品を見ないことはない、と言われ始めます。
ちなみに、上の悪意ある画像は僕が描いたんじゃないよ。ネスレで検索したら出てきたんだよ。ボクは悪いスライムじゃないよ!
ネスレ・ボイコット
それでは、ネスレボイコットについて簡単にお話していきます。
ネスレボイコットは、ネスレ社を中心とする乳児用粉ミルクや乳児用食品販売戦略に対する不買運動を指します。
1960年代にネスレなどを含む多くの乳幼児食品販売会社が、東南アジアなどの発展途上国で人工乳による育児の奨励を始めました。
その「人工乳による育児」に対し、小児科医師や栄養士を中心として告発が相次ぎます。
告発の理由は、このような内容です。
- 人工ミルクの過剰使用で、母親の母乳分泌へ悪影響を及ぼす
- 経済力のない家庭ではミルクを過度に薄めて使ってしまい、乳児の栄養欠乏が起きる
- 衛生状態の悪い中、不潔な水でミルクを作り乳児の病気が多発する
使う側の問題にも見えなくもありませんが、十分な食料やきれいな水が手に入らない当時の発展途上国の状況を考えると、とてもそんなことは言えません。
やはり想像し得るこれらの問題を気にせずに、販売を拡大したネスレにも大きな問題があるかなと、個人的には思います。
このネスレボイコットは「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」という映画にもなっています。
第1回が1977年に開始し、1984年にネスレ社が全面的にWHOコードを受け入れることで収束。
第2回は1988年にネスレがWHOコードを守っていないと始まり、現在も収束していません。
なぜなら現在、アフリカで同じような問題が発生しているから。
とは言え、様々な農業コミュニティの支援から環境問題にも取り組んでいるネスレ。
もちろん真っ黒な会社ではなく、「こんな側面もある」くらいに考えておいた方がよいかと思います。
世の中って白か黒かでは割り切れない。
ネスレとコーヒー
さて、本日の本題w
ネスレとコーヒーについて簡単にご紹介して、この記事を閉じたいと思います^ ^
ネスレが初めてコーヒー事業を手掛けたのが、1938年の「ネスカフェ」、もちろん現在もあるブランドです!
ネスカフェは第二次世界大戦時、アメリカ軍が参戦した際に重宝されたほど歴史ある製品たちです。
さらに1986年に「ネスプレッソ」の販売を開始し、最近だと2012年にも日本で「ネスカフェ アンバサダー」という、オフィス向けのコーヒーマシン無料貸し出しサービスが開始しています。
様々な生活用品を扱っているネスレグループですが、日本ではコーヒーのイメージがかなり強いのではないでしょうか?
それでは、コーヒーに関するネスレの製品をいくつかピックアップしてみます。
ネスカフェ
ペットボトルのアイスコーヒーは、よくスーパーで見かけますね^ ^
同じく、コーヒーの巨大企業スターバックスともコラボ済みです。
ネスプレッソ
ネスプレッソのカプセル式コーヒー。おしゃれな見た目が特徴です。
まとめ
さて、コーヒーに携わる企業として、今回はネスレをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
コーヒー以外の説明が多かった気がしますが、それだけネスレという企業が大きな企業ということだと思いますw
ちなみに、僕は転スラが大好きです^ ^