コーヒーと企業

コーヒーに関わる企業研究 第6回「Nestle ネスレ」

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コーヒーは世界で取引されている商品で、コーヒーに関連する企業は世界中にある。コーヒーを抽出して提供する企業からコーヒー器具を開発する企業まで様々だ。

コーヒーについて研究していくうち、そんな企業たちがストーリーも非常に面白かったのでこの記事で紹介していく。

第6回目は、スイス生まれの巨大帝国「ネスレ(Nestle)」の紹介。

ネスレ(Nestle)


「ネスレ」という企業名を知らない人はいるかもしれないが、ネスレの製品を人生で一度も目にしたことがない、という人は絶対にいないだろう。
と言えてしまうほど巨大な企業が「ネスレ」だ。

例を挙げてみよう。

  • チョコレート:キットカット、クランチ、エアロ
  • コーヒー:ネスカフェ、ネスプレッソ、ゴールドブレンド、香味焙煎
  • その他:ペリエ、ミロ、ウェルネス

これでも製品群のほんの一部というから恐ろしい。意外と知られていないが、サードウェーブコーヒーの寵児「ブルーボトル」も2017年にネスレの傘下に入っている。

現在、全世界の社員は308,000人で、販売国が190国、グループ売り上げが約10兆円と超巨大グループ。そんな「犬も歩けばネスレに当たる」状態のネスレグループ、実は元々煉乳の開発・生産を行う会社だった。

そんな大企業「ネスレグループ」の歴史を見ていこう。

ブルーボトルコーヒーについてはこちらから

コーヒーに関わる企業研究 「ブルーボトルコーヒー」

ネスレの歴史

略史

  • 1866年:アングロ・スイス煉乳会社設立
  • 1867年:アンリ・ネスレによって乳児用食品を販売する会社が設立
  • 1904年:ネスレがチョコレートの販売を開始
  • 1905年:2つの会社が合併し、ネスレ・アングロ・スイス煉乳会社設立
  • 1914年:第一次世界大戦が勃発し、ネスレ製品への需要高まる
  • 1916年:粉ミルクの販売を開始
  • 1934年:オーストラリアで「ミロ」を発売
  • 1936年:ビタミンサプリメント「Nestrovit」発売
  • 1938年:インスタントコーヒー「ネスカフェ」の発売を開始
  • 1948年:米国のネスレが「ネスティー」「ネスクイック」を発売
  • 1957年:缶詰の「ラビオリ」を発売し、缶詰食品の発売を開始
  • 1960年:複数の企業を買収し、冷凍食品分野に参入
  • 1969年:ミネラルウォーター市場に参入
  • 1985年:ペットフードビジネスへ参入
  • 1986年:「ネスプレッソ」ブランドの開始
  • 1986年:イギリスの菓子会社を買収し、「キットカット」などをネスレ製品に追加
  • 1992年:ペリエグループを買収し、ミネラルウォーター分野を強化
  • 2002年:複数企業を買収し、アイスクリーム分野を強化
  • 2010年:「ネスレカカオプラン」や「ネスカフェプラン」が開始
  • 2014年:ネスレ スキンヘル設立

設立〜1900年代


元々ネスレグループは2つの会社から始まった。

1つは1866年に創立したアングロ・スイス煉乳会社。新鮮なミルクの代わりになる、安全で長期保存のきく製品に対するニーズに応えるため設立した会社だ。

もう1つが1867年に薬剤師アンリ・ネスレが創立した「乳児用乳製品」を開発・販売する企業。この企業はアンリ・ネスレが乳幼児の高い死亡率の解決を目的として設立された。
現在でも使われている鳥のマークはこの頃から使い始められた。

そして、1905年にアングロ・スイスとネスレが合併し「ネスレ・アングロ・スイス煉乳会社」が設立。

この時期は都市の発展が進み、鉄道などの交通網が発達し物価が下がり、消費財の国際貿易が飛躍的に拡大した時期。
その波にネスレグループは乗ったわけだ。

1900年代〜1980年代


1914年に第一次世界大戦が勃発。
ネスレ製品の製造が阻害されるが、政府との大規模契約によってネスレ乳製品への需要が高まる。日持ちする上に輸送もしやすい煉乳は英国陸軍の非常食としても重宝された。

1920年代に初めて財務損失を出すが、チョコレートの販売強化や「ミロ」などの新製品発売、乳児用粉末ミルクの発売など着実に成長していく。

そして1938年に超有名なコーヒーブランド「ネスカフェ」が生まれる。第二次世界大戦にアメリカが参戦してからは、アメリカ関係者の間でネスカフェを始めとしたネスレ商品の人気が急上昇する。

1947年にアリメンターナ社と合併した後、戦後の生活を快適にする需要に応え「ネスクイック」や「マギー」などの調理済み食品といった新製品を発売。現在でも販売されている「フォンドー」などもこの時期

1960年代には冷凍食品への参入、1970年代には医薬品や化粧品への参入によってさらに企業規模をさらに拡大。この時期に多くの会社を吸収合併し、ネスレグループが爆発的に大きくなっていく。

ちなみに現在も収束していない、ネスレ社を中心とする乳児用粉ミルクの不買運動「ネスレ・ボイコット」はこの時期に始まっている。

1980年代〜現在


この辺りにくるとネスレ大帝国の勢いは止められない。「捕食者」から「暴食者」へユニークスキルが変質したレベル。
このネタ誰かわかるかな。

とにかくいろんな企業を買収し、ペットフード、ミネラルウォーター、アイスクリーム、お菓子から化粧品まで様々な生活に密着している分野を強化し続けていく。

「キットカット」「ペリエ」「ネスプレッソ」あたりはこの辺から始まり、スーパーに行ってネスレ製品を見ないことはない、と言われ始める。すごいね、ネスレ。

ちなみに、上の悪意ある画像は僕が描いたんじゃないよ。ネスレで検索したら出てきたんだよ。ボクは悪いスライムじゃないよ!

ネスレ・ボイコット


ネスレボイコットはネスレ社を中心とする乳児用粉ミルクや乳児用食品販売戦略に対する不買運動を指す。

1960年代にネスレなどを含む多くの乳幼児食品販売会社が、東南アジアなどの発展途上国で人工乳による育児の奨励を始める。それに対し小児科医師や栄養士を中心として告発が相次ぐ。

告発の理由がこんな感じ。

  • 人工ミルクの過剰使用で、母親の母乳分泌へ悪影響を及ぼす
  • 経済力のない家庭ではミルクを過度に薄めて使ってしまい、乳児の栄養欠乏が起きる
  • 衛生状態の悪い中、不潔な水でミルクを作り乳児の病気が多発する

正直使う側の問題にも見えなくもないのだが、発展途上国の状況を考えるとそんなことは言えない。やはり想像し得るこれらの問題を気にせずに販売を拡大したネスレにも大きな問題があるかなと思う。

このネスレボイコットは「汚れたミルク/あるセールスマンの告発」という映画にもなっている。

第1回が1977年に開始し、1984年にネスレ社が全面的にWHOコードを受け入れることで収束。
第2回は1988年にネスレがWHOコードを守っていないと始まり、現在収束していない。
なぜなら現在、アフリカで同じような問題が発生しているから。

とは言え、様々な農業コミュニティの支援から環境問題にも取り組んでいるネスレ。
もちろん真っ黒な会社ではなく、「こんな側面もある」くらいに考えておいた方がよいと思う。
世の中って白か黒かでは割り切れない。

ネスレとコーヒー


さて、肝心のネスレとコーヒーについて簡単に触れてこの記事を閉じるとする。

ネスレが初めてコーヒーを手掛けたのが1938年の「ネスカフェ」、もちろん現在もあるブランドだ。
ネスカフェは第二次世界大戦時、アメリカ軍が参戦した際に重宝されたほど歴史ある製品群。

さらに1986年に「ネスプレッソ」の販売を開始し、最近だと2012年にも日本で「ネスカフェ アンバサダー」というオフィス向けのコーヒーマシン無料貸し出しサービスが開始している。

様々な生活用品を扱っているネスレグループだが、日本ではコーヒーのイメージがかなり強いのではと思う。

それでは、実際の製品をいくつかピックアップ。

ネスカフェ


この辺がインスタントコーヒーとしては有名かな。


ボトルコーヒーも手掛けている。


カプセル式はドルチェグストが有名。


スタバともコラボ済み。


ネスカフェ名義のカプセル式コーヒーマシン。

ネスプレッソ


ネスプレッソのカプセル式コーヒー。おしゃれな見た目が特徴。


もちろんスタバともコラボ済み。


これがネスプレッソ名義のカプセル式コーヒーメーカー。

まとめ

  • ネスレは超巨大グループ企業
  • 主にインスタントコーヒーやカプセルコーヒーを手がける
  • 暴食者のユニークスキル持ち

第5回はこちら

コーヒーに関わる企業研究 「デロンギ(De'Longhi)」

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