コールドブリューコーヒー最新研究:抽出時間よりローストが水出しコーヒーの味わいに影響をもたらす

* 本記事は、”Cold Brew Research: Temperature and Time Less Impactful than Roast Level“(2025/3/11)の内容を参考に作成しています。
コールドブリュー(水出しコーヒー)に関する、新しい研究結果がカリフォルニア大学から発表されました。
この研究によると、コールドブリューの風味を左右する最も重要な要素は、一般的に考えられている「抽出時間」ではなく「ロースト度合い」だということが明らかになりました。
研究の概要

昨年8月に科学誌「Scientific Reports」で発表されたこの研究では、コールドブリューの風味に影響を与える要素として、以下の3つに着目し、分析が行われました。
- 抽出時間
- 抽出温度
- コーヒー豆のロースト
研究チームはアラビカ種のコーヒー豆を使用し、コーヒー焙煎の専門家の監督のもと、「ライト」ローストと「ミディアム・ダーク」ローストの2種類のブレンドを作成。
これらを3つの異なる温度(4°C、22°C、92°C)で、5つの異なる時間ポイントで抽出し、結果を比較しました。
意外な発見
この研究の驚きの発見は、コーヒーの風味を引き出すために、長時間抽出が必ずしも必要ではなかった、という点です。
8時間程度の短い抽出時間でも、24時間といった長時間抽出と同じレベルの風味を得られる可能性があることが発見されました。
「私たちの分析では、浸漬式で抽出したコーヒーの違いを生み出す要因として、抽出時間はロースト度合いや温度と比較して最も影響が小さいことがわかりました」と研究チームは述べています。
抽出時間と抽出温度の関係

ただし、この論文には「要素の組み合わせ次第では予想外の結果になった」とも書かれています。
例えば、抽出時間は低温での抽出のときは味わいに大きく影響するが、特定の味わいの特性については焙煎度合いに依存する、ことがわかりました。
ダークローストのコーヒー豆を室温以下で抽出したコーヒーは、苦みや焦げの風味の変化が時間とともに大きくなりましたが、熱湯で抽出した後に冷やしたコーヒーでは、これらの苦みや焦げの変化は小さかったそうです。
一方ライトローストのコーヒー豆は、低温で抽出すると、時間によって酸味や柑橘系の風味が大きく変化しました。
結論、研究チームは「コールドコーヒーを抽出するための唯一の正しい方法はない」と述べています。
研究の背景
この研究は非営利団体のコーヒーサイエンス財団が支援するより大きなコールドブリュー研究プロジェクトの一部として行われ、コールドブリューシステムメーカーのToddy LLCが資金提供しています。
この発見は、コールドブリューの製造に携わる方々の作業効率を向上させる可能性があるとして、注目されています。

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