コーヒーの産地を見てみよう コスタリカ編
コーヒーは赤道から緯度約±25°付近の温暖な地域で栽培できる植物。
日本でも一応沖縄で栽培できないことはないが、日本人にとっては馴染みが浅い植物だ。
この記事ではそんな世界のコーヒー栽培地域について簡単にではあるが紹介していく。
色々なコーヒー栽培地域を見ていくと、ちょっとした世界旅行気分を味わうこともできるのでおすすめ。
今回の記事では地球幸福度指数の世界ランキング上位の「コスタリカ」を紹介。
コスタリカ共和国
コスタリカは中央アメリカ南部に位置する国家で、首都はサンホセ。
元はスペインの植民地だったため、スペイン語が公用語。
軍を持たない国として有名で、「中米の楽園」とも呼ばれている。
国旗には国章が入っているものと上の図のように国章が入っていないものがあり、国章が入った国旗は民間での使用が禁止されているらしい。
基本情報
面積:51,100平方キロメートル(九州と四国を合わせた面積)
人口:499万人
首都:サンホセ(標高1,200m)
民族:ヨーロッパ系および先住民との混血が多数、中南米系、アフリカ系、ユダヤ系、中国系、先住民系
言語:スペイン語
宗教:カトリック教(国教、但し信教の自由あり)外務省HPより抜粋
略史
年月 | できごと |
---|---|
1502年 | コロンブスにより「発見」 |
1821年 | スペインより独立 |
1823年 | 中米諸州連合結成 |
1848年 | 中米諸州連合より分離独立 |
1890年 | 輸出の80%がコーヒーになる |
1948年 | 現行憲法制定(軍隊の保有禁止) |
1987年 | アリアス大統領ノーベル平和賞受賞 |
2018年 | アルバラード大統領就任 |
コスタリカとコーヒー
主な加工法:ナチュラル、ウォッシュド、ハニープロセス
味の特徴:心地よい柑橘系の酸味とほのかな甘味、複雑なテクスチャー
コスタリカでは、中央アメリカで最も早く19世紀初頭までにはコーヒー栽培が始まっており、2008年にはコーヒー生産200年を迎えている。
小規模農園がいくつか集まって各自で加工するマイクロミル(小さな生産処理場)が増加し、良質なコーヒー豆をたくさん生産している。また、トレーサビリティも非常に高くどの農園(マイクロミル)で作られたコーヒー豆かを確認することもできる。
ちなみに、この国ではロブスタ種の栽培は禁止されており、栽培されるコーヒー豆は全てアラビカ種。近年ではスペシャリティコーヒーの栽培や様々な加工法の研究も盛んらしく、世界的にも評価が上がっている国。
実はスターバックスの自社農園「ハシエンダ・アルサシア農園」もこの国にあり、独自にコーヒー豆の研究を行っている。この農園で得た研究結果はWeb上で誰でもアクセスできるらしいから太っ腹だ。誰でも参加できるコーヒーツアーも開催しているそうなので、旅行する際はぜひ訪れてみたいな、と思っている。
アラビカ種についてはこちら
加工法(精製法)についてはこちら
コスタリカと治安
「地球幸福度指数」を知っている方はいるだろうか?恥ずかしながら僕は全く知らなかった。
これはイギリスの環境保護団体が2006年に初めて紹介した、持続可能性を組み込んだ国の幸福度を測る指標で、具体的には、平均寿命、健康指標、健康格差、エコロジカル・フットプリント(人間活動が環境に与える負荷の指標)などが基準となる。
コスタリカはこの地球幸福度指数世界ランキングで2016年に1位になっており、2016年までのランキングでは常に上位に位置していた。ちなみに日本はこのランキング50位前後をうろうろしている。
これは1948年の軍解体が大きな影響を与えている。軍事に投入していた予算を、教育や医療、環境保全に当てることができ、「中米の楽園」とも呼ばれる国家だった。
映画『コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~』は非常におもしろいので、少しでも興味を持った方はぜひ見てもらえればと思う。
ただし、経済の発展とともに犯罪の増加や麻薬の流通が増え、治安が少しずつ悪化しているとも言われている。2017年以降は地球幸福度指数も10~20位の間につけることが増えてきた。もし旅行に行く機会があったら、犯罪に巻き込まれないような注意は必要だ。
それでもコスタリカの人々は基本的に気さくで明るい方が多いようで、心温まる交流ができるそう。
風景
首都「サンホセ」。
首都「サンホセ」その2。
コスタリカの大自然。小さくてごめん。
ハミングバード(ハチドリ)。かわいい。
アカメガエル。
まとめ
- コスタリカは中米の国で「楽園」と呼ばれる
- 幸福度指数上位の国だが、近年治安が少しだけ悪くなっている
- 良質なコーヒーの生産地で世界的にも注目されている
- ハチドリかわいい