コーヒーの知識

コーヒーの実からコーヒー豆を取り出す 〜コーヒー豆の精製法について〜

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私たちが普段飲んでいるコーヒーはコーヒー豆から抽出される。そのコーヒー豆は「コーヒーの木」になる実(コーヒーチェリー)から取り出すことができる。

つまり、コーヒーチェリーを収穫してから私たちがコーヒー飲むまでには

  1. 収穫
  2. 精製(加工)
  3. 焙煎
  4. 抽出

という手順がある。

この記事では、その手順の中の「精製(加工)」について紹介していく。
コーヒー豆を探す際に精製法による味の変化を知っておくと、自分の好みのコーヒー豆を探す手助けになるので、ぜひ最後まで読んでいただければ。

コーヒーの実を精製して生豆を取り出す

焙煎したコーヒー豆を見たことがある人は多いと思うが、焙煎される前のコーヒー豆を見たことがある方は少ないと思う。さらに、焙煎されるよりもっと前、収穫前後のコーヒーチェリーを見たことがあるという方はもっと稀だ。

まずはそのコーヒーチェリーについて見ていこう。

コーヒーチェリー


上の写真がコーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの木の実で、この中に普段私たちが飲んでいるコーヒー豆が入っている。赤い実は成熟した実で、緑色の実は成熟前。成熟すると黄色くなる「イエローブルボン」といった品種もある。

この記事で取り上げる精製法(加工法)とは、
「コーヒーチェリーの中から、どうやってコーヒー豆を取り出すか」
のについて。

コーヒーチェリーの構造


コーヒーチェリーの構造を見ていくときはさくらんぼを思い浮かべてもらえるとイメージしやすい。

  • 果皮、果肉
  •  ちょうどサクランボの皮と実にあたる。

  • 粘液(ミューシレージ)
  •  サクランボを食べると種の周りがぬるっとしていると思う。それが粘液。

  • パーチメント(内果皮)
  •  サクランボの種の殻にあたる。

  • シルバースキン(銀皮)
  •  パーチメントの中で生豆を覆っている皮。

  • 生豆
  •  さくらんぼの種を割った中にコーヒーの生豆が入っている。

ちなみにコーヒーチェリーの果肉は食べることができ、ほんのり甘みがあるため収穫を手伝う子供たちがよくつまみ食いをするらしい。日本でも海外でもポケモンでも、木の実は大切なおやつなのだ

4大精製法

精製法は大きく分けて以下4つ。

  • ナチュラル(乾燥式)
  • ウォッシュド(水洗式)
  • セミウォッシュド(半水洗式)
  • 折衷式

ナチュラル:乾燥式


収穫したコーヒーチェリーを天日干しして、からからに乾いたコーヒーチェリーを割ってコーヒー豆を取り出す方法。
天日干しに広大な土地や時間が必要になるが、水洗式と違い大量の水や機械設備を使用しないため、アフリカや機械を持ち込めない高地でよく見られる。

複雑で面白い味わいのコーヒー豆ができやすいのがこの乾燥式の特徴。コーヒーチェリーの果肉をつけたまま天日干しするので、果肉の香りや果汁が生豆に移る上、乾燥させる際のコーヒーチェリーの動かし方によって味が変わったりするため、そのような複雑なコーヒーができやすいらしい。
 
古くから使われている方法で欠点豆(売り物にできない生豆)ができやすく生産性は高くない。しかし、おもしろい味のコーヒー豆ができやすいため、近代化されている土地でもあえて乾燥式で精製することもある。
 

ウォッシュド:水洗式


手順が少し複雑なのでざっくり言うとこんな感じ。

  1. コーヒーチェリーの果肉を機械で除去
  2. 1をタンクで発酵させ、粘液を除去
  3. 粘液がなくなった2を水洗いし、天日干し
  4. 乾いたらパーチメントを割って生豆を取り出す

精製に大量の水と機械設備を使用するため、比較的近代化の進んでいる地域や水源の多い土地で採用される。
 
水に触れる工程が多く、発酵段階の微生物の影響により酸味が引き立ったコーヒーになることが多い。また乾燥式と違って果肉の香りが移ることも少ないので、安定した味のコーヒーができやすい。反面個性を持ったコーヒー豆はあまり出ない。
 
機械で大量のコーヒーチェリーを精製でき、欠点豆もできにくいため、生産性は高い。全国、全世界でチェーン展開しているお店などは安定した味のコーヒー豆を大量に入荷することが求められるため、水洗式で精製したコーヒー豆を使用することが多い。
 

セミウォッシュド:半水洗式(ギリン・バサ)


果肉除去機を使用して果肉と一緒に粘液もある程度まで取り除き、その後乾燥させてパーチメント割ってを生豆を取り出す方法。水洗式の工程の「発酵」と「水洗い」が省かれるので、半水洗式とも呼ばれる。

味わいは重厚なボディの酸味の少ないコーヒーができやすい。
 
主にインドネシアのスマトラ島で使用される方式のため、スマトラ式とも呼ばれる。インドネシアは湿気が多く、天日干しの作業が行いにくい。そこで果肉除去機を使い、腐りやすい果肉などを取り除いてから乾燥させるこの方法が生み出された。
 

折衷式

乾燥式と水洗式を組み合わせた方式。
「パルプド・ナチュラル」や「ハニープロセス」といった方式がある。

ざっくり言うと

  1. 果肉除去機(パルパー)で果肉を除去
  2. 粘液がついたまま乾燥
  3. 乾燥したらパーチメントを割って生豆を取り出す

 
折衷式のコーヒーは乾燥式に似た味わいになりやすい。粘液を残して天日干しするので、その香りが生豆に移って甘みを持つコーヒーになることもある。
 

まとめ

  • 加工法=どうやってコーヒー豆を取り出すか
  • 「乾燥式」「水洗式」「半水洗式」「折衷式」がある
  • 生産地や品種と同じく、加工法もコーヒーの味に影響を及ぼす

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