コーヒー豆の加工法をとにかく簡単にご紹介! 加工方法の種類から味への影響まで!
皆さんこんにちは!
そして、サイトへのご訪問ありがとうございます^ ^
皆さんは、コーヒー豆の「加工法」または、「精製法」という言葉を聞いたことはありますか?
コーヒー豆はもともとコーヒーの木という植物から採れる、コーヒーの実(コーヒーチェリー)に入っていて、私たちが普段飲むコーヒーを抽出するためには、コーヒー豆を取り出す必要があります。
今回の記事ではそんな、コーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出す方法、【加工法(精製法)】についてお話していきます。
加工法の種類からその加工法が味に及ぼす影響まで、なるべくわかりやすくご紹介していこうと思いますので、皆さんのコーヒー選びのご参考になれば嬉しいです^ ^
コーヒーの実から、よく知るコーヒー豆になるまで
私たちが普段飲むコーヒーは、コーヒー豆から抽出することができます。
そんなコーヒー豆は、コーヒーの木という植物の実「コーヒーチェリー」の中に入っています。
※コーヒーチェリーの写真
コーヒーチェリーのままでは私たちが普段飲んでいるコーヒーを抽出することはできないので、このコーヒーチェリーの中からコーヒー豆を取り出す必要があります。
この、
コーヒーチェリーから、コーヒー豆を取り出す方法
のことを、「加工法」や「精製法」と呼びます^ ^
それでは加工法の種類をご紹介する前に、ちょっとだけコーヒーチェリーの構造をご紹介していきます。
コーヒーチェリーの構造
僕はコーヒーチェリーの構造についてお話しする際、よくさくらんぼを思い浮かべていただきます。
皆さんも、まずはさくらんぼを頭の中に思い浮かべてみてください^ ^
さて、さくらんぼには皮があって果肉があり、その果肉の中にぬめぬめしている種があると思います。
コーヒーチェリーの構造はこのさくらんぼの構造とほぼ一緒で、このさくらんぼの種(コーヒーチェリーの種)を割ると、普段私たちがよく目にするコーヒー豆がでてきます。
箇条書きにするとこんな感じ^ ^
- 果皮、果肉:さくらんぼの皮と実にあたります
- 粘液(ミューシレージ):さくらんぼの種を覆うぬめぬめにあたります
- パーチメント(内果皮):さくらんぼの種の殻にあたります
- 生豆:さくらんぼの種を割った中にコーヒーの生豆は入っています
※ちなみに、コーヒーチェリーの種とその中に入っている生豆の周りは、空洞ではなくシルバースキン(銀皮)という皮で埋められています。
実際にコーヒーのチェリーを割ってみた写真がこちらです。
さて、コーヒーチェリーの構造を理解した上で、改めてコーヒーの加工法を言葉で表すと、
加工法とはコーヒーチェリーから、皮、果肉、粘液を取り去って、種(パーチメント)の状態にする方法
になります^ ^
4大精製法
さて、そんなコーヒーの加工法には、大きく分けて以下4つあります。
- ナチュラル(乾燥式)
- ウォッシュド(水洗式)
- セミウォッシュド(半水洗式)
- 折衷式
ナチュラル:乾燥式
加工の方法
ナチュラル(乾燥式)は、最も簡単なコーヒー豆の加工法で、
コーヒーチェリーを天日干しして、からからに乾いたコーヒーチェリーを割ってコーヒー豆を取り出す方法
です。
天日干しするための広大な土地や時間が必要になりますが、後ほどご紹介する水洗式と違って、大量の水や機械設備を使用しないため、アフリカや機械を持ち込めない高地でよく用いられる加工法です。
乾燥に失敗してコーヒー豆が腐ってしまったり、広大な土地が必要になる、などコーヒー豆の生産性はそれほど高くありませんが、個性的で風味豊かなコーヒーができやすいため、あえてこの乾燥式を使用してコーヒーチェリーを加工している農園もあるんですよ^ ^
コーヒーの味への影響
複雑でおもしろい味わいのコーヒー豆ができやすいのが、この乾燥式の特徴です。
コーヒーチェリーの果肉をつけたまま天日干しするので、果肉の香りが生豆に移り、フルーティーなコーヒーができあがります。
その上、天日干し中のコーヒーチェリーが腐らないように、何度かひっくり返してあげるのですが、そのひっくり返し方や、お日様のあたり方によって味が変わったりするので、とても複雑なコーヒーができやすい方法でもあります。
ウォッシュド:水洗式
大量の機械や水を使い、コーヒーチェリーを一気に加工する方法が、この水洗式です。
加工の方法
手順が複雑なので、なるべく簡単に説明すると、
- コーヒーチェリーの皮と果肉を機械と水で洗い流す
- 手順1で出来上がったぬめぬめした(粘液が付いた)豆をタンクで発酵させ、粘液を微生物に分解してもらう
- 粘液が分解された豆をもう1度水洗いし、天日干しする
- 乾いたら種(パーチメント)を割って生豆を取り出す
となります。
コーヒー豆を加工する際に、大量の水と機械設備を必要になるため、比較的近代化の進んでいる地域や水源の多い土地で用いられる方法です。
全国、全世界でチェーン展開しているお店は、この水洗式で加工したコーヒー豆を使用することが多く、これはコーヒー豆を機械で加工するため、安定した味のコーヒー豆を大量に生産することができる、という水洗式加工法の特徴のためなんです^ ^
コーヒーの味への影響
水に触れる工程が多いこの水洗式は、発酵段階の微生物の影響により酸味が引き立ったコーヒーになります。
また乾燥式と違い、果肉の香りがコーヒー豆に移りにくく、機械で一斉に加工する方法でもあるので、非常に安定した味のコーヒーができやすい方法です。
反面、乾燥式とは異なり、個性的なコーヒー豆はあまりできにくい方法でもあります。
セミウォッシュド:半水洗式(ギリン・バサ)
ギリン・バサとも呼ばれる、半水洗式はインドネシアの伝統的な加工法です。
加工の方法
ハンドパルパーと呼ばれる手動の果肉除去機で果肉を除去した後、タンクで発酵させ粘液を除去します。
ここまでは、水洗式と同じプロセスですが、このあと微生物を使って粘液を除去したコーヒー豆を、水で洗浄せず2回に分けて天日干しし、乾燥した種(パーチメント)を割ってコーヒー豆を取り出します。
発行した後の洗浄が行われず、水を使用するのが果肉を除去するときのみ、という手順から「半水洗式」と呼ばれます。
コーヒーの味への影響
この、半水洗式で加工されたコーヒーは、酸味が少なく、重みのあるコーヒーができあがります。
これは、粘液を除去した際の微生物を洗い流さないこと、さらに天日干しを2回に分けて行うことから、大地の風味とも呼ばれる、重みのあるコーヒー豆ができあがります^ ^
折衷式
最後に、「折衷式」と呼ばれる方法をご紹介します。
この折衷式は、乾燥式と水洗式を組み合わせた方式で、「パルプド・ナチュラル」や「ハニープロセス」といった方式があります。
加工の方法
この折衷式の加工の手順を、なるべく簡単に説明すると、
- 果肉除去機(パルパー)で果肉を除去
- 粘液がついたまま乾燥
- 乾燥したらパーチメントを割って生豆を取り出す
となります。
ハニープロセスでは手順1で果肉を除去する際に、果肉や皮を完全には除去せずに一部のみを除去することで、出来上がるコーヒーの味を変化させます。
コーヒーの味への影響
折衷式で加工したコーヒーの味は、水洗式のようなさっぱり感を持ちつつ、乾燥式のように個性豊かな味になります。
粘液や果肉の一部を残して天日干しするため、その香りが生豆に移ることで、個性豊かな味わいを持たせつつも、果肉の一部を除去することで、乾燥式ほどの個性はもたない、といったまさに折衷式、といった味わいのコーヒーができあがります。
まとめ
さて、コーヒー豆の加工法についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
ぜひ、次回コーヒー豆を購入する際は、HPなどでそのコーヒー豆の加工法を調べてみていただければと思います!
この加工法の知識が、皆さんのコーヒー選びのご参考になれば、とてもうれしいです^ ^