【スタバの父】ピーツ・コーヒーとは?創業者がスタバを売ってまで選びたかった伝説の味

みなさんは、「ピーツ・コーヒー & ティー」というお店をご存じでしょうか?
一時期は日本にも出店していましたが、現在は残念ながら実店舗は撤退しています。しかし、そのコーヒーはスターバックスの原点とも言われ、セカンドウェーブコーヒーの歴史を語る上で欠かせない存在です。
今回の記事では、コーヒー企業研究の第4弾として、スターバックスに多大な影響を与えた伝説のコーヒーブランド「ピーツ・コーヒー&ティー(Peet’s Coffee & Tea)」の魅力と、日本でのコーヒー豆の入手方法についてご紹介します^ ^
ピーツ・コーヒーとは?【セカンドウェーブの原点】
ピーツ・コーヒー&ティーは、サンフランシスコ・ベイエリアを拠点とする、コーヒー豆と紅茶の小売を手掛ける企業です。
特にコーヒー豆に関しては、調達から焙煎まで、創業者アルフレッド・ピート(Alfred Peet)の哲学が強く根付いています。
1966年にカリフォルニア大学バークレー校の近くにオープンした第1号店は、現在も営業を続けており、コーヒー好きの聖地となっています。
「深煎り高品質」こそがピーツの哲学
ピーツ・コーヒーの最大の特徴は、創業当時、高品質なアラビカ種のコーヒー豆を「深煎り」で提供するという、アメリカでは非常に珍しいスタイルでした。
1960年代のアメリカでは、質の低いロブスタ種の浅煎りコーヒーが主流。
オランダ出身の創業者アルフレッド・ピートは、その質の低さに衝撃を受け、「本物のコーヒーの魅力を伝えたい」という情熱からピーツ・コーヒーを創業します。
創業者アルフレッド・ピートの情熱

創業者のアルフレッド・ピートは1920年にオランダで生まれ、貿易商の父の影響で幼い頃からコーヒーに親しんでいました。
そんな彼の哲学は、良質なアラビカ種のポテンシャルを、深煎りにすることで最大限に引き出すこと。
当初は一部のコーヒー好きにしか知られていませんでしたが、顧客一人ひとりに対し丁寧にコーヒーの魅力を説くことで、熱狂的なファンを増やしていきました。
スタバの原点!スターバックスとの深い関係

実はアルフレッド・ピートは、「スターバックスの育ての親」ともいえる重要な人物です。
スターバックスの創業者であるジェリー・ボールドウィンとゴードン・バウカーは、大学時代にピーツ・コーヒーと出会い、その魅力に夢中になります。
彼らはシアトルの人々にも最高のコーヒーを届けたいとスターバックスを創業。
驚くべきことに、創業から1年間、スターバックスは自社で焙煎を行わず、ピーツから焙煎豆を仕入れて販売していました。
スターバックスの創業者たちはピートの店で働きながら、焙煎技術や丁寧な接客スタイルを学び、それが今日のスターバックスの礎となっているのです。
【衝撃】スタバの創業者は、スタバを捨ててピーツを選んだ?
ここで、ピーツ・コーヒーの凄さを物語る、ある衝撃的なエピソードをご紹介します。
実は、スターバックスの創業者たちは、1984年に憧れだった「ピーツ・コーヒー」を買収することに成功します。
そしてその数年後、なんと彼らは「ピーツ・コーヒーの経営に専念したい」という理由で、スターバックスの方を売却してしまったのです(売却先は、のちにスタバを世界的企業にしたハワード・シュルツ氏)。
つまり、創業者の目には、当時のスターバックス以上にピーツ・コーヒーの方が魅力的に映っていたということ。彼らがそこまで惚れ込んだ「本物の深煎り」の味、気になりませんか?
このあたりの複雑でドラマチックな関係性については、ハワード・シュルツ氏の著書でも詳しく語られています。今のスタバがあるのは奇跡だということがよく分かる、ビジネス書としてもおもしろい一冊です。
【日本から購入可】スターバックスの原点を自宅で味わう
実店舗は撤退してしまいましたが、実はピーツ・コーヒーの豆はAmazonやコストコなどで購入することができます。
数あるブレンドの中でも、まず試していただきたいのが、ブランドの顔ともいえる「メジャー・ディカソンズ・ブレンド」です。
このブレンドは、創業者ピートと常連客だったディカソン少佐が協力して作り上げた、まさにブランドの歴史を象徴する一杯。世界中の深煎りコーヒーの基準になったとも言われる伝説のブレンドです。
豊かなコク、複雑でスモーキーな香り、そしてほのかなスパイシーさが特徴で、スターバックスの「カフェベロナ」のような濃厚なコーヒーが好きな方なら、間違いなく満足できる味わいです。
もし「まだいきなり海外の豆を買う勇気がない…」という方は、まずスタバの中で最もピーツの味に近いと言われる、「カフェベロナ」を試してみてください。このコーヒーが好みに合うようであれば、ピーツは間違いなくハマります。
まとめ:スタバのルーツ「ピーツ・コーヒー」を一度は体験しよう
今回は、スターバックスのルーツであり、セカンドウェーブコーヒーの先駆者「ピーツ・コーヒー」についてご紹介しました。
まとめ
・ピーツはスタバ創業者がお手本にした「師匠」のような存在
・スタバを売却してまで、創業者が守りたかった「本物の味」
・日本店舗はなくても、通販で伝説の豆は購入可能
今のスターバックスがあるのは、ピーツ・コーヒーの深煎りに対する情熱があったからこそ。
コーヒー好きなら一度は飲んでおきたい歴史的な一杯、ぜひ休日のコーヒータイムに楽しんでみていただければと思います^ ^
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