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ジャマイカのコーヒーの魅力を徹底解説!ブルーマウンテンの歴史・品種・生産地について

『ブルーマウンテンコーヒー』の産地として有名なジャマイカは、コーヒー好きの人々にとって特別な生産地です。ジャマイカで生産されるコーヒーは、その希少性と品質の高さから、世界中で高い評価を受けています

この記事では、ジャマイカのコーヒー生産に焦点を当て、ブルーマウンテンコーヒーの特徴やその背景にあるストーリーを詳しくご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください^ ^

ジャマイカ

Jamaica ’14 / keatssycamore

ジャマイカはカリブ海に浮かぶ島国で、カリブ諸島の中でキューバやイスパニョーラ島に次ぐ3番目の大きさを誇ります

その美しい自然環境は「木と水の国」とも呼ばれ、青々とした山々や白い砂浜、豊かな熱帯雨林が広がっています。

また、音楽やスポーツの分野でも世界的な影響力を持ち、レゲエ音楽の発祥地としても知られています。観光業が経済の中心であり、年間数百万人が訪れるリゾート地としても人気です。

ジャマイカのコーヒー生産の歴史

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ジャマイカのコーヒー生産の歴史は、18世紀初頭に遡ります。この島国の豊かな自然環境と独自の文化的背景が、現在世界的に評価されるブルーマウンテンコーヒーの基盤を築きました。

コーヒーの導入と初期の発展

ジャマイカにコーヒーが初めて持ち込まれたのは1728年、当時の総督サー・ニコラス・ロウズがフランス領マルティニークからアラビカ種の苗木を輸入したことがきっかけです。

彼はセントアンドリュー地区にある自身の農園「テンプルホール」にこれらを植えました。この地域は高地特有の冷涼な気候、豊富な降雨量、そして火山性土壌といった理想的な条件を備えており、コーヒー栽培に適していました。

その後、1790年代にはハイチ革命から逃れたフランス人農園主やその労働者たちがジャマイカに移住し、彼らの専門知識が地元のコーヒー産業の成長を後押しします。

その後、18世紀後半から19世紀初頭にかけて、ジャマイカは世界有数のコーヒー生産地となり、年間約70,000トンものコーヒーを輸出するまでに成長しました。

困難と再生

しかし、19世紀にはいくつかの課題が産業を襲いました。

1834年に奴隷制が廃止されると、多くの農園が労働力不足に直面し、生産量が減少します。また、価格変動や植物病害なども影響し、多くの農園主がコーヒー栽培を放棄し、小規模農家による生産へと移行しました。

このような状況下で1891年には、コーヒー栽培技術や加工方法を指導するための立法措置が取られました。さらに1944年には中央コーヒー清算所が設立され、品質管理と輸出体制が整備されていきます。

ブルーマウンテンコーヒーへの進化

1950年には「コーヒー産業委員会(Coffee Industry Board)」が設立され、品質向上とブランド保護が進められました。

この努力により、「ブルーマウンテンコーヒー」という名で知られる高品質な製品が誕生し、その滑らかな味わいとバランスの取れた酸味で世界中の愛好家から支持されます。

現在への継承

今日でもジャマイカのブルーマウンテン地域では、高度な品質管理と伝統的な栽培技術を用いてコーヒーが生産されています。

この地域特有の環境条件と歴史的背景は、ブルーマウンテンコーヒーを単なる嗜好品以上の文化的遺産として位置づけています。

ジャマイカのコーヒー生産における主な地域と格付け

JM Blue Mountain Peak 1010 (76) / diegotirira

ジャマイカのコーヒー生産は、主に島の東部に位置するブルーマウンテン地区で行われています

この地域は、世界的に有名な「ブルーマウンテンコーヒー」の産地として知られ、その独特な地理的条件と気候が高品質なコーヒーを生み出しています

また、ジャマイカでは他にもいくつかの地域でコーヒーが栽培されており、それぞれ異なる特徴を持っています。

ブルーマウンテン地区

Mister Misterによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/3636961/

ブルーマウンテン地域は、ジャマイカのコーヒー生産の中心地であり、キングストンから北東方向に広がる山岳地帯です。この地域はコーヒーの生産において、以下の特徴を持っています。

ブルーマウンテン地域

  • 地理的条件
    ブルーマウンテンは標高約900メートルから1,800メートルの範囲でコーヒーが栽培されています。この範囲内で栽培されたコーヒーのみが「ブルーマウンテンコーヒー」として認定されます。
    ※それ以上の標高(1,800メートル以上)は森林保護区となっており、コーヒー栽培は禁止されています。
  • 気候と土壌
    この地域は冷涼で霧が多く、高い降雨量と火山性土壌を持つため、コーヒー栽培に最適な環境です。
    これらの条件が、ブルーマウンテンコーヒー特有の滑らかでバランスの取れた風味を生み出しています。
  • 対象となる教区
    コーヒー産業規制法によれば、セントアンドリュー、セントトーマス、ポートランド、セントメアリーの4つの教区で収穫されたコーヒーのみが「ブルーマウンテン」のラベルを使用できます

ブルーマウンテン地域には、多くの著名な農園や加工施設があります。

例えば、「マビスバンク」「ウォレンフォード」「モイホール」などは、長年にわたり高品質なブルーマウンテンコーヒーを生産してきたことで知られています。これらの農園では、小規模農家から収穫された豆も集められ、一貫した品質管理が行われています。

ハイマウンテン地区

ブルーマウンテン地区以外の標高1,000~1,200メートルの範囲では、「ジャマイカ・ハイマウンテン」と呼ばれるコーヒーが栽培されています。

この地域では、ブルーマウンテンほどではないものの、高品質なコーヒーが生産されており、国内外で一定の評価を得ています。

ローマウンテンまたはプライム・ウォッシュド

標高1,500フィート未満(約460メートル以下)で栽培されたコーヒ以下では、「プライム・ウォッシュド」として知られるコーヒーが栽培されています。

この地域では比較的温暖な気候条件下で栽培されるため、風味や品質は他の地域と異なる特徴を持っています。一般的には国内市場向けに流通することが多いです。

ジャマイカで生産されるコーヒーの品種と味わいの特徴

Jamaica Blue Mountain Coffee / markmorgantrinidad

ジャマイカで生産される、コーヒーの味わいやその特徴の背景には、独自の地理的条件と徹底した品質管理が深く関わっています。

主要な品種:アラビカ・ティピカ

ジャマイカで栽培されるコーヒーは主にアラビカ種の「ティピカ(Typica)」です。この品種は、他のアラビカ品種に比べて優れた風味を持つことで知られています。

ティピカはジャマイカの肥沃な火山性土壌と理想的な気候条件によって、そのポテンシャルを最大限に引き出されています。

味わいの特徴

ジャマイカ産コーヒー(特にブルーマウンテン)は、その洗練された味わいで世界中のコーヒー愛好家から高く評価されています。

ジャマイカのコーヒーの特徴

  • 滑らかでバランスの取れた風味
    ブルーマウンテンコーヒーは、酸味、甘み、苦味が調和したバランスの良い味わいが特徴です。
    特に酸味は穏やかで明るく、全体的にクリーンな後味を持ちます。
  • 自然な甘みとクリーミーさ
    このコーヒーにはキャラメルや蜂蜜を思わせる自然な甘みがあり、滑らかな口当たりが楽しめます。
    さらに、チョコレートやナッツのような風味も感じられ、複雑ながらも心地よい飲み心地を提供します。
  • フローラルでナッツのような香り
    香りは華やかでフローラルなトーンを持ち、そこにハーブやナッツ系のニュアンスが加わります。
    この香りが一杯のコーヒーに豊かな深みを与えています。
  • 苦味の少なさ
    ジャマイカ産コーヒーは苦味が少なく、その滑らかな飲み心地が初心者から熟練者まで幅広い層に支持されています。

加工方法と品質管理

ブルーマウンテンコーヒーは主に「ウォッシュド(湿式処理)」方式で加工されます。この方法では、豆から果肉を取り除いた後に発酵させ、水洗し乾燥させるため、クリーンで一貫性のある風味のコーヒーに仕上がります。

すべての豆は手作業で選別されるため、不良豆が混入することなく高品質なコーヒーができあがります。

まとめ

Jamaica / marcveraart

この記事ではジャマイカのコーヒー、特にブルーマウンテンコーヒーについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

ブルーマウンテンコーヒーは、その独特の環境条件と徹底した品質管理によって生まれる滑らかで洗練された味わいが魅力で、その一杯には、ジャマイカの豊かな自然と伝統的な栽培技術が凝縮されています。

この記事でブルーマウンテンコーヒーに興味を持っていただけた方は、ぜひその洗練された最高の一杯をお試しいただければと思います^ ^

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