コロンビアコーヒーの品種大全:アンデスの大地が育む多様な味覚の世界

コロンビアは世界第 3 位のコーヒー生産国であり、アラビカ コーヒーでは第 2 位の生産国です。

コーヒーの生育にとってほぼ完璧な気候のおかげで、コロンビアのスペシャルティ コーヒー産地では独特の風味を持つ高品質の豆が生産されています

この記事では、コロンビアコーヒーの歴史や栽培される品種、近年注目の希少品種などご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください^ ^

世界のコーヒー産業におけるコロンビアの地位

Colombia / castro-ruge

コロンビアは、ブラジル、ベトナムに次ぐ世界第3位のコーヒー生産国として、グローバルなコーヒー市場で重要な位置を占めています。2024年現在、年間生産量は約1,300万袋(60kg/袋)に達し、その大部分が高品質のアラビカ種です。

特筆すべきは、コロンビアが単なる生産量だけでなく、品質面でも世界的な評価を確立していることです。「100%コロンビアコーヒー」の認証制度や、Juan Valdezに代表されるブランド戦略により、プレミアム市場での確固たる地位を築いています。

また、国家コーヒー生産者連盟(FNC)による組織的な品質管理と研究開発は、世界的なモデルケースとして注目されていて、特に気候変動への対応や持続可能な生産方法の確立において、先進的な取り組みを展開しています。

近年は、スペシャルティコーヒー市場での存在感も増しており、高付加価値化による産業の発展を推進しています。

コロンビアで生産される代表的な品種

そんなコロンビアでは様々な品種のコーヒーが生産されています。

カトゥーラ(Caturra)

Ripe red Caturra / virmaxcafe

カトゥーラは、ブルボン種から自然に派生した品種で、1950年代にコロンビアに導入され、1975年には国内生産量の47%を占めるまでに普及しました。

伝統的なカトゥーラはレモンのような明るい酸味とキャラメルの甘みが特徴でしたが、近年の気候変動の影響でプロファイルが変化し、2024年のカウカ県産サンプルでは、桃の芳香とライチの後味が確認されるなど、新品種的な特性を示す事例が報告されています。

カトゥーラ種の特徴

  • 風味: 明るい酸味とフルーティーな香りが特徴。
  • 栽培条件: 標高1,200~2,000メートルで最適に育つ。
  • 歴史: 一時期は国内生産量の約半分を占めていましたが、現在ではカスティージョに取って代わられています4612

カスティージョ(Castillo)

カスティージョは、カトゥーラ(50%)とティモールハイブリッド(50%)の交配により2005年にコロンビア国立コーヒー研究センター(Cenicafé)によって開発された品種で、現在最も広く栽培されています。

マイルドな酸味とミルクチョコレートの甘みが基調で、後味にヘーゼルナッツのニュアンスを感じさせるのが特徴です。。

処理法による変化が大きく、ウォッシュトではクリーンな口当たり、ナチュラルではドライフルーツのような複雑味が表れてくる、とてもおもしろい品種です。

カスティージョの特徴

  • 病害耐性: コーヒー葉錆病(CLR)やコーヒーベリーディジーズ(CBD)への高い耐性。
  • 高収量: 他の品種よりも収穫量が多く、農家にとって経済的メリットが大きい。
  • 風味: 甘みと深みのある味わいで、ナッツやチョコレートのような風味が特徴。

タビ(Tabi)

タビはさび病抵抗性と高品質を両立させるため、2002年に開発されたハイブリッド品種で、遺伝的にはティピカ(34%)、ボルボン(33%)、ティモールハイブリッド(33%)の三元交配種です。

「タビ」という名前は先住民グアンビアノ族の言葉で「良い」を意味します。

口当たりはクリーミーで、赤ワインのようなタンニン感とブラックチェリーの風味が特徴的で、冷却抽出するとローズヒップの芳香が顕著に現れるというユニークな特性を持ちます。

タビの特徴

  • 親品種: ブルボン、ティピカ、ティモールハイブリッド。
  • 特性: 病害耐性が高く、高品質なカッププロファイルを持つ。
  • 風味: 明るい酸味とバランスの取れたフレーバープロファイル。

ヴァリエダ・コロンビア(Variedad Colombia)

CAFE DE COLOMBIA, CUNDINAMARCA, MESITAS DEL COLEGIO . Región Variedad Arábica.Topillos I 007 / 29140042@N04

1985年にCenicaféによって開発された「バリエダッド・コロンビア」は、カトゥーラとティモールハイブリッドを交配して作られた品種です。

バリエダッド・コロンビアの特徴

  • 特性: 葉錆病への耐性があり、高収量。
  • 風味: 赤リンゴやブドウのようなフルーティーな甘みを持つ複雑な味わい。

コロンビアのスペシャルティコーヒー産地

2DU colombia 45 / ciat

コロンビアでは、カウカ、カルダス、リサラルダ、シエラネバダなど、 20 ~ 33 の州でコーヒーが栽培されています。

標高が高く、降雨量が適度で、雲、緑豊かな熱帯雨林、山々、湿度が豊かなコロンビアは、高品質のアラビカコーヒーの栽培に理想的な土地です。

Cauca (カウカ)

コロンビア南西部に位置するカウカは、アンデス山脈の西側に位置し、先住民の文化が色濃く残る地域です。

火山性の土壌と独特の気候により、フルーティーで明るい酸味のコーヒーが特徴。

Cauca (カウカ)

  • 標高: 1,450〜2,000m (4,750〜6,600フィート)
  • 収穫:
    主な収穫時期: 9月~12月
    二次作物(ミタカ):3月~6月
  • 品種: ティピカ 16%、カトゥーラ 62%、カスティージョ 22%
  • 風味: 鮮やかな酸味と、オレンジ、レモン、青リンゴなどの新鮮なフルーツの風味があり、イチゴ、チェリー、ラズベリーなどのベリーの香り、マンゴー、パパイヤ、柑橘類などのトロピカル フルーツの香りがほのかに漂います。

Tolima (トリマ)

コロンビア中央部に位置し、マグダレナ川流域の肥沃な土地を有する地域で、多様な地形と高品質のコーヒー栽培に適した条件を備えています。

火山性の土壌と理想的な気候条件により、キャラメルのような甘みとクリーンな後味のコーヒーが特徴。

Tolima (トリマ)

  • 標高: 1,200〜1,900m (3,900〜6,200フィート)
  • 収穫:
    主な収穫時期: 3月~6月
    二次作物(ミタカ):10月~12月
  • 品種: ティピカ 9%、カトゥーラ 74%、カスティージョ 17%
  • 風味: オレンジ、レモン、青リンゴなどの新鮮なフルーツの風味を提供し、爽やかで調和のとれた体験を提供します。

Huila (ウイラ)

コロンビア南部に位置し、アンデス山脈の3つの支脈が交差する地域で、多様な景観と好ましい自然条件で知られています。

標高差を活かした栽培により、チョコレートのような甘みとバランスの良い味わいのコーヒーを生産しています。

Huila (ウイラ)

  • 標高: 1,250〜2,000m (4,100〜6,600フィート)
  • 収穫:
    主な収穫時期: 9月~12月
    二次作物(ミタカ):4月〜5月
  • 品種: ティピカ 11%、カトゥーラ 75%、カスティージョ 14%
  • 風味: オレンジ、レモン、赤いベリーなどの鮮やかなフルーツの風味と、独特のカカオやチョコレートの香りが組み合わさり、魅力的な味わいを生み出します。

Nariño (ナリーニョ)

コロンビア最南端に位置し、エクアドルと国境を接する高地地域で、赤道に近いため、コーヒー栽培に適した気候です。。

昼夜の寒暖差が大きく、柑橘系の風味と際立った酸味を持つコーヒーを生産。

Nariño (ナリーニョ)

  • 標高: 1,500〜2,300m (4,900〜7,500フィート)
  • 収穫: 4月~6月
  • 品種: ティピカ 54%、カトゥーラ 29%、カスティージョ 17%
  • 風味: ブラウン シュガーやキャラメルの香りを伴う自然な甘みがあり、風味、香り、後味が完璧にバランスしています。

まとめ

Juan Valdez Cafe / digitalcolony

この記事ではコロンビアで生産されるコーヒーの品種と産地の特徴を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

コロンビアは、その多様性豊かな地形と気候条件のおかげで、多彩なコーヒー品種を育ており、それぞれの品種には独自の魅力があります。

主要な品種から希少な品種まで様々なコーヒーを楽しめる生産地なので、この記事でコロンビアのコーヒーに興味を持っていただけた方は、ぜひ多種多様な味わいをお試しいただければと思います^ ^

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