ディカフェのコーヒーってどうやって作るの?|有機溶媒抽出法についてわかりやすく解説
皆さんこんにちは!
そして、サイトへのご訪問ありがとうございます^ ^
皆さんは「ディカフェのコーヒーってどうやって作っているの?」と不思議に思ったことはありませんか?
今回の記事では、ディカフェコーヒーのつくり方の第1回目「有機溶媒抽出法」についてお話ししていきます。
ちょっとマニアックな内容ですが、カフェインレスコーヒーの作り方をなるべくわかりやすくご紹介していきますので、最後までお付き合いいただければと思います^ ^
※現在日本では、今回ご紹介する「有機溶媒抽出法」は禁止されています。
有機溶媒とは
最初に「有機溶媒」とは何か? について簡単にお話していきます。
まず、「溶媒」とは物質を溶かしてを作る際に使う液体のことで、「溶液」を「塩水」とすると「溶媒」は「水」になります。
さて、コーヒー豆からカフェインを除去する際、コーヒー豆の中のカフェインを「溶媒」に溶かして除去するのですが、その際に使用するのが「有機溶媒」です。
有機溶媒は、水に溶けにくいカフェインなどの有機物を溶かすための溶媒で、代表的なものとして、
- ベンゼン
- ジクロロメタン
- クロロホルム
- エタノール
などがあります。
急に化学っぽくなっちゃいましたが、これらの名前を覚える必要はありませんw
ここで大事な点は、「カフェインは有機溶媒に溶ける」ということで、有機溶媒抽出法とは
「コーヒー豆の中のカフェインを有機溶媒を使用して除去する方法」
です。
有機溶媒抽出法
さて、「コーヒー豆の中のカフェインを溶かして除去する」有機溶媒抽出法ですが、さらに2つの方法に分類できます。
直接法(ケミカルプロセス)
「直接法」とはコーヒーの生豆が有機溶媒に直接触れる方法のことで、以下の手順でカフェインを除去します。
- 生豆を蒸気やお湯で湿らせ気孔を開く
- 有機溶媒に1のコーヒー豆を漬けてカフェインを除去する
- 生豆を十分に洗浄し、溶媒を洗い流す
- 生豆を乾かすことで加熱しつつ溶媒を飛ばす
この「直接法」が昔からある方法で「ケミカルプロセス」とも呼ばれます。
間接法
直接法に対し、「間接法」とは生豆を有機溶媒に直接触れさせない方法で、以下の手順でカフェインを除去します。
- 生豆を熱湯につけて、可溶性の成分を全て抽出
- 生豆を取り出し、1のお湯を有機溶媒の入った容器に注ぐ
- 2を加熱し、カフェインを含んだ溶媒を蒸発させて除去する
- 3に生豆を入れて、1で抽出したカフェイン以外の成分を生豆に再び吸収させる
この間接法を「スイスウォータープロセス」と呼ぶこともありますが、現在のスイスウォータープロセスは有機溶媒を使用せずに水を使用し、より安全な処理方法に変わっています。
そこで、上記の方法とスイスウォータープロセスを区別するために、「間接法」と呼ぶのが一般的です。
有機溶媒抽出法の欠点
有機溶媒抽出法が発明された当初、溶媒に「ベンゼン」が使用されていました。
しかし、ベンゼンには残留毒性が問題視されたため、ジクロロメタンなどの沸点が低い溶媒を使い、加熱することで完全に溶媒を飛ばす方法に変わります。
ただ、それでも有機溶媒を使用することへの安全性に不安を感じる人もいるため、冒頭にも記載した通り、この「有機溶媒抽出法」は日本では禁止されています。
そこで現在用いられている方法が「スイスウォータープロセス」と「超臨界二酸化炭素抽出法」で、これらはまた別の記事でご紹介していきます^ ^