ディカフェのコーヒーってどうやって作るの?|超臨界二酸化炭素抽出法についてわかりやすく解説
皆さんこんにちは!
そして、サイトへのご訪問ありがとうございます^ ^
皆さんは「ディカフェのコーヒーってどうやって作っているの?」と不思議に思ったことはありませんか?
今回の記事では、ディカフェコーヒーのつくり方の第3回目「超臨界二酸化炭素抽出法」についてお話ししていきます。
ちょっとマニアックな内容ですが、カフェインレスコーヒーの作り方をなるべくわかりやすくご紹介していきますので、最後までお付き合いいただければと思います^ ^
超臨界
まずは「超臨界」についてお話していきます。
物質は温度や圧力の条件によって、個体、液体、気体と3つの状態に変化します。
水が最もわかりやすい例で、水は温度によって水、氷、水蒸気と3つの状態を持っています。
それでは超臨界とは何なのか?
超臨界は「温度による変化」に「圧力による変化」を加え、液体でも気体でもない両方の特徴を持つ特殊な状態のことです。
ちょっと説明が難しいので、「不思議な状態」くらいに思っていただければ^ ^
超臨界二酸化炭素
さて、今日のキーワード「超臨界二酸化炭素」とは、超臨界状態の二酸化炭素のことです(そのままw)。
二酸化炭素は温度が約31℃、超高圧(約200気圧)という条件で、気体の拡散性と液体の溶解性を併せ持った超臨界流体という状態になります。
この超臨界流体という不思議な状態になった二酸化炭素を使用してカフェインを除去する方法、それが本日ご紹介する「超臨界二酸化炭素抽出法」です。
超臨界二酸化炭素抽出法の手順
超臨界二酸化炭素抽出法は以下の手順でコーヒー豆からカフェインを除去します。
- コーヒー豆をスチームで加湿する
- 加湿したコーヒー豆が入った容器に、超臨界二酸化炭素を投入する
- コーヒー豆のカフェインが、超臨界二酸化炭素に溶けていく
- 手順2,3を繰り返すことで、カフェインの除去を繰り返す
- カフェインを含む二酸化炭素を別容器へと移し、圧力を下げて気体へ戻す
長々と書きましたが、要は「コーヒー豆のカフェインを不思議な状態の二酸化炭素に溶かして除去する」方法が、超臨界二酸化炭素抽出法です。
※この超臨界二酸化炭素抽出法は単に二酸化炭素抽出法とも呼ばれ、1978年にネスレ社により開発されました。
超臨界二酸化炭素抽出法の利点
さて、この超臨界二酸化炭素抽出法は「有機溶媒抽出法」や「スイスウォータープロセス」に比べ、残留毒性や廃液処理の心配が不要という点で高く評価されています。
有機溶媒抽出法で心配な残留毒性がなく、スイスウォータープロセスのように水を使用せず廃液がでないため、設備投資のコストは必要ですが、大手コーヒーメーカーのカフェイン除去方法として採用されています。
スターバックスのディカフェ作成にも、この方法が用いられていたはずです。
雑談:固形カフェイン
超臨界二酸化炭素抽出法で使用した「カフェイン入りの二酸化炭素」は、常温常圧に戻すと二酸化炭素は通常の気体になって空気中へ戻っていくのですが、その際白い粉が残ります。
この白い粉は「純粋なカフェイン」で、エナジードリンクに入れられたり、錠剤にして売られていていたりもします。
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僕が昔バーで働いていたころ、コーヒーのカフェインでは物足りなくなった同僚が、このカフェイン錠剤を使用して目を覚ましていました。
※錠剤のカフェインは劇薬です。海外では摂取による死亡例もあるので、取り扱いにはくれぐれも注意してください。