ブラジル産コーヒー豆、ロブスタ種の価格がアラビカ種を逆転!その背景には?
インスタントコーヒーの原料として知られるロブスタ種が、高級品種アラビカ種を上回る高値で取引されるという異例の事態が、最大生産国ブラジルで発生しています。この価格逆転は、世界的なコーヒー不足とロブスタ種の品質向上、需要増加が背景にあります。
干ばつによる供給不足が引き起こす価格高騰
世界最大のロブスタ種生産国であるベトナムで発生した干ばつにより、深刻な供給不足が発生しています。世界的なコーヒー不足は4年連続となっており、パンデミック以降のインスタントコーヒー需要の高まりも相まって、コーヒー市場は大きく変化しています。
ロブスタ種の需要増加:品質向上と新たな需要
従来、ロブスタ種はアラビカ種に比べて品質が劣るとされてきましたが、近年は栽培技術の向上により品質が向上しています。また、インスタントコーヒーだけでなく、ボトル入りコーヒー飲料など、ロブスタ種を多く使用する製品の需要も増加しています。
ブラジルでの価格動向:過去最高値を記録
ブラジル最大のロブスタ種生産地であるエスピリトサント州では、ロブスタ種の価格が過去最高を記録しました。サンパウロ大学の調査によると、ロブスタ種の価格は数日間、アラビカ種を上回って取引されており、これは2015年以来のことです。
証券会社Flavour Coffeeのデータによると、ロブスタ種の中には、最高級のアラビカ種である「ファインカップ」よりも高値で取引されたものもあったとのことです。
先物市場では価格逆転は起こるか?
ニューヨーク市場で取引されるアラビカ種の先物価格は、ロンドン市場で取引されるロブスタ種の先物価格よりも依然として高いため、先物市場ではこのような価格逆転が起こる可能性は低いとされています。これは、ニューヨーク市場で取引されるアラビカ種は、ブラジルで生産されるアラビカ種のほとんどと比較して、品質基準が非常に高いためです。
コーヒー業界への影響
高騰するロブスタ種の価格は、消費者にとって選択肢を狭める可能性があります。また、つい最近までロブスタ種を低品質とみなしていたコーヒー業界にとっても、大きな変化です。
今後の展望:一時的な現象か、新たなトレンドか?
今回の価格高騰は、ベトナムの干ばつによる一時的な現象である可能性もあります。しかし、ロブスタ種の品質向上と需要増加という新たなトレンドが、今後のコーヒー市場に大きな影響を与える可能性があります。
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