カフェのメニュー選びに迷ったら、まずは「グアテマラ」を覚えてみませんか?

カフェに行くと、コーヒー豆の種類の多さに少し圧倒されてしまいませんか? 「ケニア」「エチオピア」「スマトラ」……。
聞き慣れない国名ばかり並んでいて、正直なところ「全部同じコーヒーじゃないの? 味の違いなんて本当にあるの?」と思ってしまうお気持ち、とてもよく分かります。
私も最初はそうでした。
でも、一度その違いを知ってしまうと、コーヒー選びはもっと楽しくなります。 そこでご提案です。まずは他の難しい豆のことは一旦忘れて、「グアテマラ」という名前だけ覚えてみてください。
なぜなら、グアテマラの特徴を知っておくと、「グアテマラより酸味がほしいならケニア」「グアテマラより苦みがほしいならスマトラ」といったように、自分の好みを店員さんに伝えるための「基準」として使えるようになるからです。
ほんの3分ほどで読める内容ですので、ぜひ少しだけコーヒーの世界にお付き合いください^ ^
グアテマラは「火山とチョコレート」でイメージしよう
専門的な「標高」や「精製方法」といった難しい話は、一旦置いておきましょう。 カフェでメニューを選ぶときに役立つのは、もっと直感的なイメージです。
グアテマラを覚えるためのキーワードは、たった2つだけ。
「火山」と「チョコ(またはココア)」です。
(特に「深煎り」と書かれたメニューなら、ほぼ間違いなくこの味)
この2つの単語を頭の片隅に入れておくだけで、グアテマラの特徴はほぼ掴めたも同然です。
なぜ「火山」と「チョコ」なのか?

これには、ちゃんとした理由があります。
グアテマラは「火山国」である
グアテマラには活火山がたくさんあります。
この「火山灰の土壌」はミネラルがたっぷりで、コーヒーの木が元気に育つための最高の環境。火山灰のミネラルを吸収して育ったグアテマラのコーヒーは、味が単調ではなく、とても複雑になります。
その結果、サラッとした味ではなく、
- 「飲みごたえのあるコク(ボディ)」
- 「ハーブやスパイスのような独特な香り」
といった、「素材そのものの力強さ」を持つようになります。
まずはシンプルに、「火山育ちのコーヒーは、ワイルドで力強い味がする」というイメージを持ってみてください。
深煎りとの相性=「チョコレート」
そして、ここからが味の決め手です。
多くの大手チェーンのカフェでは、「ワイルドで力強い豆」の特徴を活かすためにしっかりと焙煎(深煎り)をします。
すると、どうなるか?
元々持っていた「スパイシーな香ばしさ」と、焙煎による「焦げ感(ビターな風味)」が絶妙に混ざり合い、まるで「ビターチョコレートやココアのような風味」へと進化していきます。
つまり、難しい理屈は抜きにして(一般的なカフェであれば)「グアテマラ=チョコっぽい味」と覚えてしまってOK。
もし「チョコレートのようなコーヒーが好き」だったり、「酸っぱいのは苦手で、甘いお菓子に合うコーヒーがいい」と思ったら、迷わず「グアテマラ」を選んでみてください。きっと満足できるはずです^ ^
実践編:メニューでよく見る「3つのグアテマラ」
ここからは、実際にカフェのメニューや豆売り場でよく見かける名前を使って、選び方のコツをご紹介します。
1. グアテマラ アンティグア(王道)
- 特徴:
まさに「ザ・グアテマラ」と呼べる存在です。
3つの火山に囲まれた「アンティグア地方」で収穫される、最もポピュラーな豆です。 - 味のイメージ:
酸味とコクのバランスが非常に良く、どっしりとしたコーヒー感があるのに飲みやすいのが特徴。
先ほどお伝えした「ココア感」や「スパイス感」が一番分かりやすく感じられます。 - おすすめのシーン:
しっかりとしたコーヒーらしい苦味とコクがお好きな方におすすめです。
チョコレートケーキと一緒に飲むと、最高の相性を発揮します。
2. SHB(エスエイチビー)という表記
- 特徴:
これは地名ではなく、グアテマラコーヒーの「最高ランク」を表す等級のこと。
「Strictly Hard Bean(ストリクトリー・ハード・ビーン)」の略で、標高1,350m以上の高地で採れた豆だけに許された称号です。 - 味の違い:
「SHB」と書いてあれば、品質が高い証拠。
標高が高い場所で育った豆は、実が引き締まっていて、甘みや風味がギュッと詰まっています。
雑味が少なく、クリアな味わいが楽しめます。 - おすすめのシーン:
ちょっと贅沢に、質の高いコーヒーを楽しみたいときに、ぜひこの表記を探してみてください。
3. グアテマラ ウエウエテナンゴ(オシャレカフェの常連)
- 特徴:
「こだわりの強いカフェ」や「スペシャルティコーヒー専門店」でよく見かける、噛みそうな名前の超有名エリアです。 - 味の違い:
ここが一番のポイント。
アンティグアが「どっしりチョコ」なら、ウエウエテナンゴは「華やかなフルーツ」です。
特に中煎り(ミディアムロースト)くらいだと、オレンジや赤ワインのような、フルーティーで明るい味がします。 - おすすめのシーン:
「苦いコーヒー」があまり得意ではない方は、ぜひこちらを試してみてください。
冷めてくると赤ワインのような甘みが出てきて、とても美味しいですよ。
補足:「チョコ」の風味は焙煎から生まれる
最後に、一つだけとても重要な「注意点」をお伝えしておきます。
ここまで「グアテマラはチョコっぽい味」と説明してきましたが、実はこれには「深煎り(ダークロースト)にしているから」という前提が含まれています。
焙煎と味の関係
本来のグアテマラの豆(特に高品質なスペシャルティコーヒー)は、素材そのものが素晴らしいフルーツのような風味を持っています。
そのため、「サードウェーブ系」のカフェなどでは、その風味を活かすために「浅煎り(ライトロースト)」で提供することがあります。
そうすると、あのチョコのような味がなりを潜め、「リンゴ」や「オレンジ」のような、驚くほどフルーティーな酸味のコーヒーができあがります。
スタバの「ミディアム」についての豆知識
スタバの『グアテマラ アンティグア』のパッケージを見ると、「MEDIUM ROAST(中煎り)」と書いてありますよね。「あれ? 深煎りじゃないの?」と思われるかもしれません。
実は、スターバックスの焙煎基準は、一般的なカフェよりも「全体的に深め(焙煎強め)」に設定されています。
つまり、スタバが「ミディアム(中くらい)」と言っていても、他のカフェ(特にサードウェーブ系)の基準で見ると、それは「中深煎り〜深煎り」に相当することが多いです。
だからこそ、スタバのグアテマラは「ミディアム」という表記でも、酸味が減って「チョコのような香ばしさ」がしっかりと感じることができます。
焙煎度合いを確認しよう
ですので、もしお店でグアテマラを注文する場合は、必ず「焙煎度(ローストレベル)」を確認するようにしましょう。
グアテマラと焙煎
深煎りのお店なら: 「チョコのようなコク」と説明。
浅煎りのお店なら: 「フルーティーで華やか」と説明。
もし機会があれば、複数の焙煎度合いのグアテマラを飲み比べて、「焙煎によって変化するグアテマラの味わい」もぜひ楽しんでみていただければと思います^ ^
まとめ
いろいろ書きましたが、ポイントはシンプルです。
この記事のポイント
- まずは「火山」と「チョコ感」だけでOK
難しいことは抜きにして、「グアテマラは火山育ちだから、スパイス感があって、チョコ(またはココア)っぽい」と覚えておけば、好みのコーヒーに当たりやすくなります。 - 慣れてきたら「焙煎度」を見てみる
「グアテマラなのに酸っぱい?」と思ったら、焙煎が浅いのかもしれません。
「深煎りならチョコ、浅煎りならフルーツ」という二面性を知っていれば完璧です。 - グアテマラを「基準」にする
グアテマラの味が分かれば、「これより苦いのがいいならスマトラ」「これより酸っぱいのがいいならケニア」と、地図の中心が決まります。
グアテマラを「自分の基準」にすることで、カフェでのコーヒー選びがもっと楽しくなります。
ぜひ次回のカフェタイムには、グアテマラをオーダーしてみてください^ ^
おまけ:なぜ「火山」だとコーヒーが美味しくなるの?

ここからは「もっと深く知りたい」「お客様にウンチクを語りたい」という人向けのオマケです。
先ほど「火山灰の土壌はコーヒーに最適」と言いましたが、そもそもなぜ火山だとコーヒーが美味しくなるのでしょうか?
理由は大きく分けて2つあります。
火山灰は「天然の肥料」だから
火山の土(火山灰土壌)には、植物が育つのに不可欠なミネラル分(窒素やリンなど)がたっぷりと含まれています。つまり、山全体が栄養満点の畑になっているようなもの。
だから、肥料を無理に使わなくても、コーヒーの木が元気に育ち、実(豆)に栄養がギュッと詰まります。
標高が高いから「豆が硬く」なり、チョコレートのような風味も出せる
ここが一番のポイントです。
火山は基本的に標高が高いですよね。 標高が高い場所は、昼は暖かく、夜はグッと冷え込みます。この「寒暖差」があると、コーヒーの実は身を守ろうとして、種子(豆)をカチカチに硬く引き締めます。
実は、この「硬さ」がないと、美味しい深煎りは作れないんです。
標高とコーヒー豆
- 豆が硬い(高地産):
長時間の焙煎(深煎り)に耐えられる。焦げずに中まで火が通り、チョコの香りやコクが出る。 - 豆が柔らかい(低地産):
深煎りするとすぐに焦げて炭になってしまう。
つまり、グアテマラの豆は「火山(高地)の厳しさで鍛えられたカチカチの豆」だからこそ、深煎りの強い熱にも負けず、あの甘くて香ばしい「チョコレートのような風味」を引き出すことができるのです。















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