コーヒーの生産地を見ていく トラジャコーヒーの生産地「スラウェシ島」
コーヒーは農作物であり、赤道周辺にある国々で生産されている。そんな世界の生産地の風景を少し覗いてみよう。
今回の記事では「トラジャコーヒー」の生産地、インドネシアにあるスラウェシ島について紹介していく。
インドネシア全体の紹介はこちらの記事で。
スラウェシ島
スラウェシ島はインドネシア共和国にある島で、4番目に大きい島。
代表的な観光地は「マナド」という都市と「タナ・トラジャ」という都市。
マナドは世界でも有名なダイビングスポットがあるダイバーの憧れの街。
基本情報
人口: 約1,740万人
面積: 約19万平方キロ
位置: インドネシアのほぼ中央
宗教: イスラム教徒、カトリック教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒
民族: マサッカル人、ブギス人、トラジャ人(南スラウェシ)
ミナハサ人、ゴロンタロ人、サンギ・タラウド人、モンゴンドゥ人(北スラウェシ)
人口は東京都民に栃木県民と群馬県民を加えたくらいで、面積は北海道2つに福島県と秋田県を加えたくらい。
わかりにくいかもしれないが、結構正確な数字。
風景
都市「マナド」の空中写真。世界中のダイバーの憧れの街らしい。
もちろん海は綺麗。ダイビングスポットもたくさんある。
世界最小と言われるサル「タルシウス」。手のひらサイズ。
タナ・トラジャ地区
つづいて、スラウェシ島にある「タナ・トラジャ」地区。コーヒー栽培の条件に適している土地で、生産量も高い。
ちなみに「トラジャ」という名前の教会や街がスラウェシ島にたくさんあるが、コーヒー栽培が有名なのは「タナ・トラジャ」。
風景
標高が高く、コーヒー栽培に適しているタナ・トラジャ地区。
様々な人や部族が住んでいる。写真の牛は水牛。
トラジャ族の伝統的な民家「トンコナン・ハウス」。住居と米倉という実用的な建築物なのだが、そのデザイン性も高い。
自然が多く、夕日が綺麗。
トラジャコーヒー
トラジャコーヒーは「タナ・トラジャ」地区で収穫されるコーヒー豆の名称。
インドンシア内の他の生産地よりアラビカ種の生産割合が高いスラウェシ島、トラジャコーヒーはスペシャリティコーヒーとしてもよく見かける。
伝統的な精製法「ギリン・バサ」が用いられるが、ウォッシュド(水洗式)でも精製される。
味の特徴
スラウェシ島の他のコーヒーの特徴と同様に、酸味が少ないコーヒーが多い。
土壌の性質からか、スパイスやハーブを感じる風味を持つ。
伝統的な精製法「ギリン・バサ」
インドネシア産のコーヒーの最大の特徴が伝統的な精製法「ギリン・バサ」。
コーヒーチェリーの皮と果肉をハンドパルパーという手動の器具で除去したのち、水槽で発酵させてミューシレージ(種の殻につくぬめぬめした粘液)を取り除く。
ここまでは水洗式と同様だが、種の殻(パーチメントと呼ぶ)の状態で40%前後まで水分量を落とし、その後脱穀機で種からコーヒーの生豆を取り出す。そして生豆の状態で最適な水分量までさらに乾燥させる。
これは湿気が多く、天日干しの作業が複雑になってしまうインドネシアならではの精製法だ。
精製法についてはこちらで詳しく
まとめ
- トラジャコーヒーはスラウェシ島の「タナ・トラジャ」地区で生産したコーヒー
- 「ギリン・バサ」という伝統的な精製法が特徴
- タルシウスはかわいい