コーヒーの成分を解析してみよう 〜クロロゲン酸〜
コーヒーは非常に複雑な味を持っている。
ひたすら苦いコーヒーや、酸味のあるコーヒー、さらにはフルーツや紅茶を感じるコーヒーまであるからとても不思議な飲み物だ。
そんなコーヒーにはいったいどんな成分が含まれるのか、不思議に思ったことはないだろうか?
「全然思わない」という声も聞こえてきそうだが、せっかく調べたのでちょっとだけでも見ていってください。
第2回の記事はコーヒーにとって大事な成分「クロロゲン酸」について。
コーヒーの苦味はカフェインだけではない
今や楽天などで簡単に買えるカフェイン錠剤。
そんなカフェインを単体で味わってみたことがある方はいるだろうか?
ちなみに僕はない。
実際にやったことはないしやろうとは思わないのだが、カフェインを舐めてみたことがある人の感想を見ると、どうやらカフェインは苦い味がするらしい。
そんな苦みを持つカフェインだが、実はコーヒーの苦さにおいてカフェインは1〜2割ほどしか影響しない。
これはカフェインレス(ディカフェ)コーヒーもコーヒーのような苦い味がすることからも明らかである。
それでは、一体コーヒーの苦味成分は一体なんだろ、となったときにでてくる成分が「クロロゲン酸」である。
クロロゲン酸とコーヒーの苦味
クロロゲン酸はコーヒー豆から発見された化合物で化学式は「C16H18O9」。
高校で化学を習った方ならベンゼン環が思い浮かぶだろう。
クロロゲン酸はコーヒーの生豆の中に約5〜10%ほど含まれる。
あくまで生豆で、焙煎後の豆ではない。
ちなみに、カフェインや約1〜2%程度なので、カフェインよりはたくさん含まれている。
さて、このクロロゲン酸だが、加熱するとかなりコーヒーに近い苦味を示すらしい。
さらにこのクロロゲン酸の加熱物から「クロロゲン酸ラクトン類」という新しい苦味物質グループが発見され、これがコーヒーの苦味の中心の1つであるとされている。
コーヒーの酸味にもなるクロロゲン酸
クロロゲン酸は熱に不安定で、簡単にキナ酸とコーヒー酸に分解される。
クロロゲン酸+水→キナ酸+コーヒー酸
下の記事でも書いたがキナ酸はコーヒーの酸味に関わる成分なので、クロロゲン酸はコーヒーの苦味にも酸味にも影響する非常に重要な物質のようだ。
クロロゲン酸は健康に良い?
「ポリフェノール」と言う単語を聞いたことがあるだろうか。
ざっくり言うとポリフェノールは植物が作り出す体に良い成分で、野菜や果物、コーヒーやカカオなどに含まれている成分。
そんなポリフェノールは体に良いとされていて、ざっと調べてみただけでもこんなに効能がでてくる。
- 抗酸化作用
- 抗がん作用
- 抗肥満作用
- 脂肪代謝調節作用
- 口臭抑制作用
- 抗疲労作用
「コーヒー 成分」で少し調べただけで健康関係の検索結果が膨大に出てきて、改めて人間は健康好きなんだなと感じた。
発掘ほにゃらら大辞典という番組で、スーパーから納豆が消えたことを覚えている人はいるだろうか。
話は逸れたがクロロゲン酸はポリフェノールの1種であり、こちらもちょっと調べただけで、
- コーヒーからクロロゲン酸を賢く摂取する方法
- クロロゲン酸2倍コーヒー開発!
- クロロゲン酸で理想の体型へ!
みたいな記事がたくさん出てくる。
正直、好きな味のコーヒーを好きな時に飲んだ方が健康に良さそうだと感じるのは僕だけだろうか。
参考文献
この記事を書くにあたってこちらの本を参考にさせていただいた。
とにかく面白い本なので、興味のある方はぜひ読んでみていただければ。
非常におすすめ!
まとめ
- コーヒーには「クロロゲン酸」という成分が含まれる
- クロロゲン酸はコーヒーの苦味にも酸味にも関わる
- クロロゲン酸は健康によいとされているが、個人的には眉唾