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コーヒーと水の硬度の関係を完全解説|美味しいコーヒーを淹れるための水の選び方

普段何気なく飲んでいるコーヒー。実はその97%は水でできています

水道水やミネラルウォーターを使う方も多いと思いますが、「どの水を使えばどんな味になるのか」まで意識している人は意外と少ないものです。

この記事では、コーヒーの味を左右する重要な要素である「水」に焦点を当てて、水の硬度やミネラル成分がコーヒーの風味に与える影響を科学的に解説します。

今日からできる簡単な水選びのコツなど、明日から実践できる知識をわかりやすくお伝えしようと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください^ ^

水の硬度について

水の硬度は、カルシウムイオン(Ca²⁺)とマグネシウムイオン(Mg²⁺)の含有量によって決定されます。具体的には以下の計算式で求められます:

硬度 = (Ca濃度 × 2.5) + (Mg濃度 × 4.1)

この含有量をもとに、WHO(世界保健機関)では、以下の通り水の硬度を定めています。

WHOにおける水の硬度の基準

  • 軟水:0-60mg/L
  • 中硬水:60-120mg/L
  • 硬水:120-180mg/L
  • 超硬水:180mg/L以上

日本の水道水の硬度

日本の水道水は平均硬度50mg/L(地域差30-80mg/L)で、世界でも稀な広域軟水地帯です。

これは:

  1. 火山地帯のフィルター効果でミネラルが濾過される
  2. 急峻な地形で地下水滞留時間が短い
  3. 石灰岩層の少ない地質特性

といった地理的要因によるものです。

ちなみに、東京(平均60mg/L)と大阪(40mg/L)では硬度に20mg/Lの差があり、これがコーヒーの味わいの地域差にも影響しています

水の硬度がコーヒーの味わいに与える影響

Papua New Guinea Server / alper

この「水の硬度」はコーヒーの味に影響を与えます。

これは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルがコーヒー成分と反応し、硬水ではカフェインやクロロゲン酸の抽出が促進され苦味が増加し、軟水はポリフェノールの抽出効率が高く、酸味と甘みを引き出すためです。

軟水
硬水
  • 豆本来の風味を忠実に再現
  • 明るくクリアな酸味が際立つ
  • 自然な苦味
  • まろやかで軽やかな口当たり
  • 適したコーヒー豆:浅煎り・柑橘系のフレーバーを持つコーヒー豆
  • 苦味・渋みを強調
  • 酸味が抑制される
  • 深みのある強い苦味
  • 重厚でコクがある口当たり
  • 適したコーヒー豆:深煎り・チョコレート系のフレーバーを持つコーヒー豆

日本の水道水がコーヒーの抽出に適しているわけ

実は、私たち日本人は世界でも珍しい「コーヒーに最適な水」を蛇口から得られる恵まれた環境にいます。

これは、日本の水道水がWHO基準(120mg/L未満を軟水)を大きく下回り、コーヒー抽出に最適な硬度(60-120mg/L)の中軟水に近い特性を持つためです。

日本の水道水で抽出したコーヒーの特徴

  • 酸味と苦味のバランスが取れる
  • 豆本来の風味を忠実に再現
  • 過抽出を防ぎマイルドな味わいを実現

水道水で美味しいコーヒーを淹れる準備

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日本の水道水はコーヒー抽出に適したお水ではありますが、以下の点に気を付けることで、さらにおいしいコーヒーを抽出することができるようになります。

朝一番の水は10秒流す

  • 滞留水は鉄分や微生物を含む可能性があるため、コーヒー抽出前の基本動作
  • 冬季は30秒程度流し、配管内の冷水を排出

煮沸処理のコツ

  • カルキ除去には5分以上の沸騰が必要
  • やかんのフタを開けた状態で煮沸(塩素ガスを逃がす)
  • 再沸騰は酸素含有量が減少するため避ける

まとめ:水の知恵で広がるコーヒーの世界

水の硬度とコーヒーの味わいをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

正直、毎日この手順を行うのは難しいかもしれませんが、時間に余裕があるときなどはぜひこの記事でご紹介した方法でおいしいコーヒーを抽出してみてください^ ^

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