コーヒーの二大原品種「ティピカ種」ってどんな品種? ブルボン種に並ぶ二大原品種「ティピカ種」についてご紹介!
皆さんこんにちは!
そして、サイトへのご訪問ありがとうございます^ ^
今回の記事では、ブルボン種に並ぶコーヒーの二大原品種「ティピカ種」についてご紹介していきます。
ティピカ種がなぜ二大原品種と呼ばれるのか?や、ティピカ種から派生したコーヒーの種類など、色々とお話していきますので、皆さんのコーヒー選びのご参考になれば嬉しいです^ ^
ティピカ種 Typica
「ティピカ種」はアラビカ種のコーヒーの品種の1つで、ブルボン種にならんでコーヒーの二大原品種の1つとされています。
ゲイシャ種やパカマラ種など、コーヒーの品種が様々ある中で、なぜこのティピカ種とブルボン種は二大原品種と呼ばれるのでしょうか?
それは、このティピカ種とブルボン種が、「私たちが普段飲んでいる(アラビカ種の)コーヒーのほぼすべての祖先に当たるから」なんです!
ティピカ種の歴史を地図で追う
それでは、そんなティピカ種のルーツを地図を見ながら追ってみましょう!
コーヒーの木は元々エチオピアで自生していました。そこからコーヒーの原材料として、6~9世紀頃にイエメンに伝わります。
ここからしばらくの間、コーヒーの木は当時イエメンを支配していた、オスマン帝国の中で独占的に栽培されていましたが、17世紀頃そんなイエメンからコーヒーの木が盗み出されインドへと運ばれます。
そして1699年、オランダ東インド会社はこのインドからコーヒーの木を盗み出し、インドネシアのジャワ島へと運びます。
少しややこしいですが(笑)、マップにすると↓のような経路です。
このイエメン→インド→インドネシア、という経路で世界へ広まって言った品種、それが「ティピカ種」です!
その後、ジャワ島での栽培が成功すると、そこで育てられた数本のコーヒーの木が、オランダのアムステルダムにある植物園へと送られ、オランダでの栽培が始まります。
そしてオランダに運び込まれたこのティピカ種のコーヒーの木は、2つのルートを通って世界中へと広まっていきます^ ^
オランダルート
まずはオランダルート!
オランダで栽培されたティピカ種は、1718年に当時オランダの植民地だった「スリナム」へ運ばれ、南米での栽培が開始されます。
スリナムで栽培されていたコーヒーですが、最初はフランス領ギアナに、その後ブラジルに盗み出されてしまい、ブラジルのパラ州へと運び出されてしまいます^ ^;
このパラ州から、世界最大のコーヒー生産国であるブラジルのコーヒー栽培が始まり、その後19世紀頃、ブラジルからハワイへと運ばれ、コナコーヒーを含めたハワイでのコーヒー栽培も始まります^ ^
これがオランダルート!
フランスルート
続いてフランスルート!
少しだけ話が遡って、オランダのアムステルダムの植物園で栽培されていたコーヒーの苗木は、1714年にオランダとフランスの友好の記念に、ルイ十四世へと贈られます。
寄贈されたコーヒーの苗木は、パリの植物園で育てられていたのですが、1723年にそのうちの1本がフランスの海軍将校によって盗み出され、南米のマルティニーク島へと運ばれます。
運び出された1本のコーヒーの苗木は、奇跡的にマルティニーク島での栽培に成功!
その後、この苗木の子孫たちがラテンアメリカへと運ばれ、現在のラテンアメリカのコーヒーの子孫となります。
こうしてみると現在世界中に広まっているティピカ種のコーヒーは、盗み出しに盗み出しを重ねて世界へと広まっていったんだな、という感じがしますね(笑)
とまあ経緯はどうあれ、ティピカ種の伝搬ルートを見ていくと、「インドネシア」や「ブラジル」、「ラテンアメリカの国々」といったコーヒーの一大生産地のコーヒー栽培は、このティピカ種から始まったんだな、というのがわかっていただけるかと思います。
ブルボン種も別ルートでブラジルへとたどり着くのですが、それはまた別の記事で^ ^
ティピカ種から派生した品種
それでは最後に、二大原品種と呼ばれるティピカ種から派生したコーヒーの品種についてお話していきます^ ^
コナ Kona
ティピカ種のルーツで見てきた通り、ハワイのコーヒー栽培は、ティピカ種がブラジルから伝搬された始まりました。
そのようなルーツでコーヒーの栽培が始まったため、コナコーヒーを代表とするハワイ産のコーヒーの多くはティピカ種のコーヒーです。
クラシック・スマトラ Classic Sumatra
こちらもティピカ種のルーツで見てきた通り、インドから盗まれたインドネシアのジャワ島で栽培が開始されました。
現在ではロブスタ種の栽培が多いインドネシアですが、「マンデリン」と呼ばれるスマトラ島で栽培されるアラビカ種のコーヒーの本来の品種は「ティピカ種」です。
ムンドノーボ Mundo Novo
ムンドノーボは1940年にブラジルで発見された品種で、ティピカ種の子孫であるスマトラと、ブルボン種(レッドブルボン)が自然に交配してできた品種です。
ムンドノーボは「新世界」という意味を持っており、個性豊かな風味がブラジルでとても人気の品種です。
ちなみに、このムンドノーボとカトゥーラ種(イエローカトゥーラ)を人工的に交配させてできた品種が「カトゥアイ種」です^ ^
マラゴジッペ Maragogype
マラゴジッペはティピカ種からの突然変異種で、ブラジルのマラゴジッペ地方で発見されました。
突然変異によってコーヒーの木の高さが非常に高くなり、葉っぱや実が大きくなったこのマラゴジッペは、甘みがありフルーティーな味わいを持ちます。
最後に
今回の記事ではコーヒーの二大原品種「ティピカ種」についてお話をしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事をきっかけに、コーヒーの品種について少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです^ ^